表面粗さ(三角記号)を教える

表面粗さとは2005年までの呼び方で、今はISO規格として改定されて表面粗さやうねりをまとめて表面性状と呼ぶらしいが、浸透していないのか、私の周りでは表面粗さとか三角マークとか平気で使っているし、管理人タコーも使ってます(笑)

それはさておいて、金属加工をしたことの無い未経験者に表面粗度とか言っても分からないので、前提として『金属は磨けば磨くほど輝きを放つ』ことを覚えてもらった。ただし、磨くには時間が掛かり、時間が掛かる⇒コストUPにつながる。全部の部品を磨けばピッカピカの装置ができるが、装飾品ではないので、磨かなくても機能に影響が無いところは磨かないこともある。と付け加えた。

機械設計をしていると、滑らかな面が必要な箇所や逆にザラザラにしたい箇所が出てきたり、見えないし機能、性能に影響がないからどうでもよいところがでてくるので、それを加工者に伝える為に、記号があります。

三角記号で言えば、
・〜(波目) 寸法に差し支えない荒仕上げ面
・▽     経済的な機械加工面
・▽▽    良好な機械加工面
・▽▽▽   滑らかな仕上げ面
・▽▽▽▽  精密仕上げ面
の5種類だったが、今は先に書いたISO規格もありRa(算術平均粗さ)で表わす様になった。これは、三角記号では5種類しかないために三角記号の中にも範囲があり非常に曖昧な部分があったので、この曖昧差をなくして測定した数値で表わす形になっています。

Ra粗さの区分で言えば、
・Ra100    〜(波目)に該当 
・Ra50
−−−−−−−−−−−
・Ra25     ▽に該当
・Ra12.5
−−−−−−−−−−−
・Ra6.3    ▽▽に該当
・Ra3.2
−−−−−−−−−−−
・Ra1.6    ▽▽▽に該当
・Ra0.8
・Ra0.4
−−−−−−−−−−−
・Ra0.2    ▽▽▽▽に該当
・Ra0.1
・Ra0.05
・Ra0.025
・Ra0.013
と詳細に分かれたのです。
(当然小数点が付いて細かくなるほど、コストが高くなります。)

三角記号でなれている人には、切り替えが非常にうっとうしく思うはずですね。管理人タコーの会社はお客様から指示が無ければ、三角記号にて表記しています。何故なら、その方が描くのが速いから〜です。

★教育者の方へ★
重要な部分ではありますが、表面性状を細かく何も無しで教えるのは大変です。加工部品で性状が分かる物があればそれを用意して教えてあげるのが良いと思います。この辺は実践を積み重ねて覚えてもらうしかありません。検図時に記入忘れなどをチェックしましょう。

一般公差を教える

どこの設計図面にも大体は、一般公差の記載があります。
初心者には一般公差って何でしょうか?と言う状態ですので、加工精度について説明しなければ、分かってもらえない。

そんな時はイメージが浮かぶ物に例えて話をするのが理解してもらいやすいと思います。

管理人のタコーは、教えたのが女性ということもあり大根と包丁に例えて説明しました。例え話はこうでした。

管理人「イメージの中で大根を包丁で、厚み20mmで輪切りを10ヶ切って下さい」
管理人「切れましたか?」
女性 「ハイ切れました。」
管理人「では、その切れた大根の厚みは、全部が19.7mm〜20.3mmの間で切れていますか?」
女性 「はぃ??何ですか?意味が分かりません。」

意味不明で当然ですね。

管理人「人が切ると22mmの物や19mmの物もあるでしょうが、機械で加工するとかなりの精度で切ることが可能で、厚みに大きな差はでません。19.7mm〜20.3mmの精度範囲、これが機械加工の一般公差です。」
女性 「はい。何となく分かります。」
管理人「図面には寸法が記入されていますが、寸法の後に何も記載の無い寸法は、全て一般公差の摘要になります。ようするに、この範囲で加工して下さい。というルールです。」

こんな感じで説明しました。

ちなみに、管理人の会社の一般公差は、

・L<4 ±0.1
・4≦L<16 ±0.2
・16≦L<63 ±0.3
・63≦L<250 ±0.5
・250≦L<1000 ±0.8
  Lは長さ(mm)

ですので、先ほどの大根の厚み20mmは『16≦L<63 ±0.3』に該当します。よって19.7mm〜20.3mmになります。

★教育者の方へ★
相手の方に、単位をcmからmmに切り替えてもらう必要があります。
また、今後の会話の中でμm(ミクロン)も出てくると思いますので、
1mm=1000μmと言う事と、百分の一とか、千分の一なんかも頻繁に出てきますので、復習の意味もこめて一緒に教えておくのも良いと思います。近くにノギスやマイクロメータがあれば、消しゴムでもシャープでも何でも良いので測定させて、コンマ台の単位を感覚的に覚えさすのも良いと思います。

図面尺度を教える

図面サイズが決められているので、実物に対しての作図する大きさを決める。この割合を尺度と言って、実物よりも縮尺して描かれる場合を縮尺、実物と同じ大きさの場合を現尺、実物よりも拡大して描かれる場合を倍尺と言う。

この尺度(SCALE)はJIS機械製図において24種類と定められている。また、少し昔は分数で表記したがISOの規格になって、1:2とか5:1とかの比を表わす書き方に変更になった。

縮尺(1) 1:2 1:5 1:10 1:20 1:50 1:100 1:200
縮尺(2) 1:√2 1:2.5 1:2√2 1:3 1:4 1:5√2 1:25 1:250

現尺   1:1

倍尺(1) 2:1 5:1 10:1 20:1 50:1
倍尺(2) √2:1 2.5√2:1 100:1

縮尺、倍尺については(1)を優先に使用し、(2)はやむをえない場合に使用する。
表題欄に必ず記入することが必要で、同じ図面内に違う尺度で作図する場合には、その図面の近辺にも尺度を記入する。


何だか教科書じみてきたが、必要なことなのでノートにメモしてもらった。
が、機械設計をするにあたっては、1:6とか1:8が必要になってくる。上記の24種類では足りない時がある。そんな時は管理人は使う。個人ルールの(3)があるのだ。√は使ったことが無い。
基本を知っていて、使うのはまぁ良しだろう。と勝手に決めている。何故なら図面枠との絵のバランスが悪い不細工な図面は描きたくないから(笑)
図面は他の人に分かりやすく伝える手段なので、見やすいのが良いに決まっている。そうは思いませんか?


表題欄の見方を教える

設計図面には、右下のすみに表題欄を必ず付ける決まりになっている。
その欄には何が情報として記入されているのかを教えないといけない。
図面の見方の第一歩になる部分で、様式は各社さまざまなのだが基本的に書いてある内容や項目はほぼ同じで、記入されている情報としては以下の内容。

図面番号(DRAWING aj
番号の付け方は、各社さまざま。英数字で記入し、親番号−子番号−孫番号などを各社独自に取り決めて運用している。

図面名称(PART NAME)
日本語もしくは英語での記入が多い。図面名称はその図面の特徴を表わす言葉を記入する。組立図であれば、全体図とか○○ユニット図。配管の図面であれば配管図。部品図ならば、シャフトとかパイプとかその部品図面とマッチした言葉。

材料(MATERIAL)
その部品を製作する時の材料を記入する。鉄鋼関連の材料ならSS400,S45C,SPCC,STKM13A,SUS304,SK3,SKD11などとJISで決められている記号を記入する。

表面処理(FINISH)
部品加工完成後にメッキとか塗装をする場合に記入する。メッキについても図面番号と同じく各社オリジナル表記に変換した記号を記入する場合もある。が、一般的に多い表記は、ユニクロ,クロメート,黒亜鉛,カニゼン(無電解ニッケル),クロム,硬質クロムなどとメッキ名称(俗称含む)を記入している。また硬質クロムは膜厚を指定する場合もある。

表面硬化(H.TREATMENT)
焼入れ(熱処理)をする場合に記入する。焼入れ方法も各社オリジナル変換表記もあるが、一般的には、火炎焼入れ、高周波焼入れ、真空焼入れなどを記入する。また、焼入れ硬度を指定する。

承認した人(APPROVED)

検図した人(CHECKED)

計画した人(PLANNED)

作図した人(DRAWN)

その他には、表面粗さや図面尺度を記入する。
尺度についてはまた別途書きます。


★教育者の方へ★
この辺は流す程度の教え方で最初は良いと思います。材料を教えるには鉄鋼関連、アルミ、銅、樹脂と範囲が広すぎますし、焼入れについても材料と焼入れがマッチングしないといけません。表面処理についても同じことが言えます。初心者に言っても訳分からなく頭の中がパンクしてしまいますので(笑)
タグ:情報 教育 設計

図面の大きさ・様式を教える

全くの初心者には、図面サイズを教えなければならない。
日本には、紙様式がA版とB版の二種類あり(他にはもっとあるかも知れないが管理人は知らない)JIS規格に準じて図面を作図するので、図面サイズを教えるのだ。
設計に使う図面サイズは、A0〜A4を用いることになっている。
A0〜A3までは、長手方向を横に置いた位置を正位として書き、A4に関しては長手方向を上下に置いた方が便利な場合もあるので、どちらでも良い。
ただし、一般図面においてはA1〜A4が適当で、A0はなるべくなら避けるのが良い。

参考までにA版とB版のサイズを記載しておきます。

A判
ドイツの工業規格 (DIN 476) に準拠したサイズ。A0 から A10 まである。

A0 - 1189*841 面積はほぼ1平方メートルである。
A1 - 841*594 ほぼ、A0版の長い辺を半分にしたもの。以下同じ。
A2 - 594*420
A3 - 420*297
A4 - 297*210
A5 - 210*148
A6 - 148*105
A7 - 105*74
A8 - 74*52
A9 - 52*37
A10 - 37*26
単位はmm

B判
日本の美濃紙をもとに定めたサイズ。B0 から B10 まである。

B0 - 1456*1030 面積はほぼ1.5平方メートルである。
B1 - 1030*728 ほぼ、B0版の長い辺を半分にしたもの。以下同じ。
B2 - 728*515
B3 - 515*364
B4 - 364*257
B5 - 257*182
B6 - 182*128
B7 - 128*91
B8 - 91*64
B9 - 64*45
B10 - 45*32
単位はmm

この時に図面の折り方も合せて教えると都合が良い。
図面の輪郭線などは、各社でフォーマットがあると思うので特に教える必要はないが、A0、A1、A2のサイズについては、図面を折りたたむ場合に原則としてA4サイズにすることになっている。
これも、各社の出図方法、図面保管の仕方が違うので会社の通例を教えればよい。
管理人タコーの会社は、出図用と保管用では折り方が違うのでA0〜A3までの計8種類を教えた。

★教育者の方へ★
作業手順の教え方にはポイントがあります。そのポイントとは、
@ 言ってみせる。(初めは何をどうするのか、言葉で説明し頭で理解)
A やって見せる。(次に自分がやります。お手本を示します)
B やらせて見せる。(だまって見て、どれほど理解したのか確認です)
このBで、スムーズに出来ればあるレベルで理解したと判断できますが、50%程度の理解だと判断した場合は、めんどくさがらずに@から再度教え直します。何故なら簡単な作業で、理解が低いと感じた場合、だいたい教える側に問題があるからです。自分も反省しながら@からトライアゲインです。
タグ:設計 教育 情報
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